日本のワイン生産発祥の地
山梨県のワイン産業は、明治初期に勝沼の2人の青年がフランスで学んだワイン醸造技術を地元に広めて以来、着実に発展し、現在では国内の約3割の日本ワインを生産する日本を代表するワイン産地となりました。
代表的な日本ワインの原料である甲州ブドウは、コーカサス地方、カスピ海沿岸が原産地とされ、シルクロードを経て中国から仏教と共に日本に伝わり、気候風土の合った山梨県勝沼に定着したと思われます。
甲州ブドウから造られる甲州ワインは近年品質の向上が著しく、シュール・リー製法(発酵後、澱と接触させて味の厚みを引き出す製法)や樽を使用したもの、ブドウを果皮ごと醸造することによって果皮の香りや色が抽出され鮮やかなオレンジ色となるオレンジワインや、スパークリングワインなど、さまざまなタイプのワインが造られています。
また、平成25年7月には、お酒の原産地を保護する国の制度「地理的表示(GI:Geographical Indication)」において、「山梨」がワイン産地として初めて指定されました。これにより、今後「GI山梨」と表示されるワインは、原産地や品質を保証された付加価値の高いものとなり、ワイン産地やまなしのブランド力が更に高まることが期待されています。
(山梨県のサイトより引用)
甲州ワイン・山梨のワイン
甲州種は日本を代表するぶどう品種です。
甲州種はヨーロッパにルーツを持つ「ヴィティス・ヴィニフェラ種」と中国の野生種である「ヴィティス・ダヴィーディ種」の2つのDNAが含まれた白ぶどうということまでは判明しているものの、栽培が始まったとされる奈良・平安時代にどの様にやってきたかについてははっきりしておらず、今も諸説あります。
甲州種は生食用も兼ねているぶどうですが、1600年ころまでは甲斐国(現山梨県)でのみ栽培されており、今でも生産のほとんどは山梨県です。
勘違いされがちですが「甲州ワイン」というのは山梨県産ということではなく「甲州種」を使ったワインを指します。
(実質、山梨で製造されたものが多いです)
これとは別に、山梨県ではワインでお酒の地理的表示(GI)を取得しています。
お酒の地理的表示は、「正しい産地」であること、「一定の基準」を満たした品質であることを示すもので、原料、製法、品質を満たしたものだけがGI Yamanashiとラベルに表示できます。
満たしていない場合には日本ワインや国産ワインと呼ばれますが、どちらも山梨県は広いシェアを誇っています。
甲州の味
ぶどうの甲州は、1粒の重さは4~5gほどで1房は300~500g程度というサイズ感です。
果汁が豊富で果肉はやわらかく、甘みの中に適度な酸味があり、わずかに渋みを感じることもあります。
ブドウジュースにしたときにも酸味と渋味があるため、甘い品種の果汁とブレンドしたり、加糖したりします。